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通販王国・九州のノウハウを、番組内でフル活用

◆ 課題 自社商品の販路を拡大し、売上を安定させたい
◆ 施策 自社直販の体制を整えて、マル得JAPAN!で紹介
◆ 効果 受注増だけでなく、通販で売りやすく管理しやすい形を確立

電通九州が企画・製作するキャラバン型通販番組「マル得JAPAN!」。その特徴は、複数の企業が番組スポンサーとなって商品を提供する「キャラバン型」にあります。自社商品の販促に向けて各社がしのぎを削る中、総合広告企業である電通九州が作ると、通販番組はどう変わるのか。通販王国と呼ばれる九州ならではの、独自の取り組みを担当者に聞きました。

通販で当たる訴求方法とは

「マル得JAPAN!」の放送開始は、2018 年。当時は通販商品が世の中に溢れ、競合が増えたことで、どのメーカーも満足な結果を得にくくなってきた頃でした。通販の販促に割ける予算が減ったこともあり、製作費を複数社で共同出資するキャラバン型の通販番組に注目が集まりました。

しかし、単に「割安」なだけでは、結果に繋がりません。九州は通販王国と言われるほど、健康食品や化粧品など多分野で通販事業が盛んです。事業を展開する各社と付き合いのあった電通九州もまた、コンテンツ制作や広告など、通販独自のノウハウを蓄積してきました。

山本
「例えば映像の組み立て方やナレーション、コピーワークひとつとっても、通販分野には独自の手法があります。商品力や価格設定など、さまざまな要素を考慮しながら、最適なクリエイティブを提供することで、九州の通販企業をサポートしてきました」

電通九州 ダイレクトクリエーティブ部長 山本正文

宇戸
「とはいえ、最初から正解がわかっているわけではありません。商品が変われば、消費者の好みも変わります。トライ&エラーを繰り返し、少しずつ結果を作っていく、地道な作業の積み重ねですね」

電通九州 ビジネスプロデュース7部 宇戸良和

その一例として挙げられるのが、ある食品メーカーのケース。電通九州に最初に持ちかけられた相談は、商品の卸先を紹介してほしいというものでした。当時の卸先だけでは利幅が薄いため、販路を拡大したいとのこと。

宇戸

「そこで、正直に伝えました。卸先を増やしただけでは、根本的な解決にはならない。自社で直販できる仕組みを整えていきませんか? と」

先方も、ちょうど自社通販サイトの構築に取り掛かるタイミングだったため、当社から直販のためのカート決済システムや、注文に備えた電話の受付体制の構築などをサポート。ここから、通販で販売する具体的な商品づくりの試行錯誤を始めます。

目星が付いたら一気に攻める

通販事業の立ち上げ時は、新聞広告など、試しやすいものから仕掛けていきます。商品の容量や数量、価格、それらをどんな言葉やデザインで伝えるか。広告を2パターン作って同時に出し、効果を測定するABテストなども行いながら、消費者の反応を見極めていくのです。

宇戸

「新商品を企画することもあります。今回の場合は食品メーカー様でしたので、製造過程で出る端切れなどをパッケージして、組み合わせて販売することを提案しました。試行錯誤しながら、勝ち筋を探していきます」

売上の目処が立ってきたら、さらに次の展開を仕掛けたい。そこで「マル得JAPAN!」の登場です。テレビ番組の29分という枠の中で、どのように魅力を伝えるのが最適かを考え、プランを立てていきます。

山本

「一般的なインフォマーシャルは、企業側の言いたいことを伝えるだけになりがち。マル得でいつも意識しているのは、企業発信ではなく、視聴者目線で伝えることです。説明ではなく、視聴者にとってどう役に立つか。その目線を代弁してくれるのが、ゲストタレントたちの存在です」

↑司会進行役の他に、ゲストタレント席を用意し、率直な感想をいただく

商品が良いものであれば、タレントの反応も自然と良くなります。食品の場合、「おいしい!」のひと言は、視聴者にも強くアピールします。

宇戸

「メーカー側も、タレントになるべく良い状態の商品を試食してもらおうと、丁寧に準備いただく場合が多いです。クライアント、タレントや番組スタッフ、裏方の我々と、関わる人の総力によって、視聴者に魅力を伝えらるのがこの番組の特徴です」

目標達成の、さらに先を見据えて

「マル得JAPAN!」放送後には、反響を確認します。販売目標値をクリアできたかどうかだけでなく、一時的な在庫切れなど機会損失が発生していないかも検証します。

宇戸

「売れればいいという単純な話でもなく、生産の体制や在庫確保、受電業務などオペレーションまで含めた効率的な形を追求していかないと、事業としての継続性がありません。ですから我々も、結果が出た後にも継続的な支援に入って、サポートを続けています」

山本

「私たちの仕事の本質は、課題を発見し、向上させる筋道をつけること。広告か通販番組かは、あくまで解決の手段であり、予算や要望に応じた最適解を考えていくことこそ大事です。『この商品は売るのが難しい』『ECにも挑戦したけどうまくいかなかった』という時こそ、私たちにご相談いただければと思います。共に解決策を考えていきましょう」


「マル得JAPAN!」では、さまざまなジャンルの商品をご紹介しています。詳細は、こちらのページをご覧ください。