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広告会社だからできた、“忖度なし”の店舗内外装
〜ミスターマックス店舗リニューアルプロジェクト〜

◆ 課題 ショッピングセンター開業後20年を経た時の流れに左右されない恒久的なアップデートを図りたい
◆ 施策 コンセプトデザインを念頭に、利用者目線を第一に考えた意匠を提案
◆ 効果 「済ます場所」から「過ごす場所」へと転換し、旗艦店としての存在感を確立


福岡市長住の第一号店出店以後、現在では全国に56店を展開するまでに成長した、総合ディスカウントストア「ミスターマックス」。旗艦店である千葉市・おゆみ野ショッピングセンターの大規模改修にあたり内外装デザインを引き受けたのが、電通九州でした。通常であれば、店舗改修の意匠は内製でその後の設計施工は担当する大手ゼネコンに依頼するケースが多い中、あえて電通九州が選ばれた理由とは? 広告会社らしいアイデアとは? 担当者に取材しました。

専門外だからこそのアイデアに期待

千葉県千葉市にあるミスターマックスおゆみ野店は、2003年5月開業。複数のテナントが入居するショッピングセンターとして、地域の生活拠点となっています。2022年には、土地建物ともに自社物件となり、旗艦店としてさらなる賑わいを創出するべく、開業以来の大規模改修を行うことになりました。

 

田中さま
「費用を抑えるために既存の躯体を生かしつつも、新店のようなフレッシュな印象を与えたい。この先20年が経過しても、古さを感じさせず、親しまれ地域にしっかりと根付く店舗にしたいと考えていました」

この難題に向けて、ミスターマックス平野社長の指示により、これまで付き合いのある依頼先にとどまらず広くコンペを行うことが決定。そこに、電通九州も参加することになりました。

田中さま
「電通九州さんとは、1978年にディスカウント業態の第一号店となる長住店を開店してからのお付き合いです。長年社内の各部署と関わり、弊社のことをよく理解してくれているため、店舗外装は専門外だとしても斬新なアイデアが出てくることを期待して、コンペに参加いただきました」

夕暮れに映えるチャンネルサイン

営業担当の梅原は、電通九州の主戦場ではないと知りながらも、クリエイティブチームに相談。すると「またとない機会だからぜひ挑戦しよう」と声が上がりました。CMなどで長年に渡りミスターマックスと関係を築いてきたクリエーティブ・ディレクターの北川と、アート・ディレクターの野中とともに、早速、現地視察のために千葉へと向かいます。

 

北川
「視察に行くと、買い物を楽しむ場所というより、用事を済ませてただ帰る場所になってしまっている印象でした。そこで、『済ます場所から、過ごす場所へ。』というコンセプトコピーを作り、滞在価値を上げることを中心にプランを考えていきました」

楽しい気持ちを誘発するダイナミックな意匠と、地域の生活の中にスッと溶け込む全体設計。その両方のバランスをとりながら、北川が言語化したコンセプトを、野中がデザインに落とし込んでいきました。

 

野中
「ここは閑静な住宅地と大きい緑地公園に隣接していて、建物の奥にはその公園の緑が見えます。この環境に馴染ませるために、アースカラーで全体を構成しました。構造自体は変えず、新たに木目のルーバーを加えることで、新規性を感じさせるデザインを狙ったんです」

田中さま
「実はあのルーバー、建築上の制約を乗り越えるために、アルミ製にして壁に貼り付けてあります。もしゼネコンに設計を依頼したら、難易度もコストも上がるこのような意匠は、提案時点ですでに却下のはず。しかし電通九州さんは、ユーザーの視点を第一に考えてくれました。期待した点が、まさに生かされたポイントでしたね」

 

梅原
「このプロジェクトを進める中で、ミスターマックスさんの1店1店にかける意気込みに改めて驚きました。トップも現場の方たちも、お店のことを隅々までしっかり把握されていて。だから、提案が受け入れられた時にはホッとしましたし、私たちの案を最後まで尊重してくださった姿も、とても印象に残っています」

田中さま
「ショッピングセンターの各所に休憩エリアを増やし中央広場には、キッズスペースと授乳室や多機能化粧室を整備し、子供連れから高齢者までの誰もが快適に過ごしていただけるショッピングセンターにリニューアルできました。また、私が特に気に入っているのは、白く光るチャンネルサインです。夕暮れ時は、アメリカのロードサイドにある店のように、周囲を灯すような明るさで、とてもかっこよくて。旗艦店の風格が出たと思います」

憩いの場として開業から見守っているシンボルツリー

利用者からの評判も上々

リニューアルオープンは、2022年9月末。以後、GoogleMapのクチコミでは、「以前より買い物がしやすくなった」「トイレや子供の遊び場もきれいになって利用しやすい」などのコメントが寄せられ、リニューアルのねらいが利用者にもしっかりと伝わっています。

田中さま
「今回の提案は、私たちのことをよく理解いただき、それを電通九州さんらしいセンスで仕立てていただいた好例だと感じています。オリジナリティがあり、従来の手法の延長ではできないことが実現でき、お客様に親しんでいただける店舗開発となりました。プロジェクトに携わる社内外の皆様の多大なるご尽力に、深く感謝いたします。」

北川

「広告の仕事でもそうでなくても、考えていく過程は変わらないと思っています。表現したい部分の根っこは何かを突き詰めて、それをコンセプト化していく。コミュニケーションの領域は私たちの得意分野ですから、これからも積極的に、異業種や他業界への提案もしていきたいと思います」


電通九州では、建築・空間デザインのご相談も積極的にお受けしています。ぜひ、こちらまでお問い合わせください。